厭自の夜明け 考察

厭う―嫌う、嫌だと思う、避けようとする。


「言葉にはならないけれど、自分が嫌で堪らない。死にたい訳ではないけれど、この世界から消えてしまいたい。」と思っていた時期にぴったりだと思った。


「自己嫌悪」を厭自と同義として使う。(自己嫌悪は長いから。)


最近、ワナゴの考察が、私の精神に大きな影響を与えた。流石にそれは、あまりに個人的であるから、ここには載せられない。(アメリ国防省庁と日本版のそれに、すべて通信を監視されているが、能動的な発信をする段階ではない。)


先ず、考察。どうやってワナゴが、「生きたくない」を認知し、「死にたくはない。死ぬのは怖くはないが、今はそのときではないと思う。」に至ったか。


私は男である。「男である」ことがこれほど問題になる時代はなかった。最初に断っておく。日本には男尊女卑がある。それに気付いていない人、同意できない人は、今すぐ読むのをやめた方が良い。これからは、それを前提として話すからだ。


もしかしたら、あなたの人生を変えるほどの衝撃があるかもしれない。だが、不愉快になって、なぜ不愉快になるのかわからないから、時間を浪費する人が殆んどかもしれない。


男尊女卑がある地域で、男は無条件に持ち上げられる。しかし、「無条件に」と言っても、それは「男らしい」という前提の上に立つ。


何が、「男らしい」のか?良く言えば、「弱者である女より強い。」ここで言う「強い」とは、「無感情、無感動で、機械のように合理的」。「無機質」に近い。


だから、男は「人前で泣いてはいけない」し、「弱音を吐いてはいけない」。(自己責任論・根性論と、「らしさ」の強要は、深い関わりを持つ。)


なぜ、「男は~」のか。これはよくわからないから、ワナゴが精神分析をした結果。「それ以外にアイデンティティーが何も無いから。」


人間が、「君は~であるから、~らしく振る舞え」という脅迫を口にするのは、それを言う人間が、「~」以外に、「自分らしさ」を確認することができないからである。


(同一性=アイデンティティーは抽出する方法、つまりその人を視る者の視点によっていくらでも変わる。同一性は絶対的ではない。相対的である。しかし、無根拠の差別を他者に主張するのは、その主張の客観性を高め、その差別を自分らしさにするためである。)


そうやって差別は拡大する。特に明治維新以降の、性差別の拡大は酷い。


「俺は男だから、女より偉い」はあくまで、アイデンティティークライシスの反動形成である。だからそれを誤魔化すために、性差別主義者には「…でも今の時代は、女性の方が強いから…」が付きまとう。まともな男性がこの言葉を口にしないことが、何よりの証拠である。


「俺は何者でもない」という本心と、「俺は男だから云々」という、本心から解離した、自分自身に言い聞かせるための概念は、軋轢を生じる。


(本当は「何者」も何も無い、「俺は何者でもない」と考えている自我こそが、「アイデンティティー」であるが、彼はそれに気づけない。)


その結果として、マイナスエネルギーが生じる。「俺は何者でもない」という、「自分らしさ」を持たない無根拠の劣等感。(自分らしさを持て、と教師に脅迫される現代、「欠陥のある人間」と自認するかもしれない。完璧な人間などいないが、「完璧」への幻想が、彼に自己嫌悪を植え付ける。)


その劣等感と、「俺は男だから…」という無根拠の優越感。(何で男が偉いのか、男その理由をすら知らない。)


その2つの差を埋めるために、2つのエネルギーが生まれる。


(i)劣等感→優越感のエネルギー。人前では無理やり、「男」のペルソナを被る。だから、無意識な差別を基にする。(他人を倣う。「空気」を読む。)これは問題無い。無意識に差別的なミームが拡大することを除いて。(=差別・他罰的なエネルギー)


(ii)優越感→劣等感のエネルギー。「他人でも肉親でもない、準パブリックな関係」である他者(クラスメート、同僚など)が同じ所にいないとき、「優越感」の仮面は必要ない。逆に、優越感の反動が形成される。


これこそが、この国で男を、自殺に至らしめる原因である。(=自卑・自罰的マイナスエネルギー)


それは男に自慰させる。「おれは誰でもない。只の雄だ。」という半ば自虐的な感情である。(過去記事、自慰行為のmotivation を参照)


(劣等感に依る行為。人前で優越感の幻想を崇拝したことの反動形成。←過去記事 拮抗、反動形成 を参照。)


番となる「雌」の幻想に依って、孤独を誤魔化す。(エロ漫画に、「女の子って、男の子のためにあるんだぁ…」みたいな差別発言があるのは、「人間」としてのアイデンティティーの不安を解消するために、「生物」としての、社会での優位性(男尊女卑)を克服していない象徴である。)


そして、いくら自慰しても、落ち続ける自己肯定感と、肥大化し続ける自意識から逃れられないとき、人は最後の自己決定権を行使する。自殺する。


一番言いたいこと:(アドラー的考察)男は、
アイデンティティークライシスに陥る。(不必要に考え過ぎるから。)

②①に依って、性差別に依存する。(優越感に依存)

③②に依って、劣等感を抱える。(優越感の反動形成。劣等感を生じる。)

(④劣等感を解消するために、性差別的な媒体=エロ漫画で自慰するが、自己嫌悪に陥るだけ。劣等感は更に強まる。)

長くなるから、次へ。