Shrink
Shrink 精神科医ヨワイ
4話 微笑みうつ を読んで泣きそうになった。*1
小さな花を描いている場面だ。うつ病に罹かった人が、少女の夏休みの宿題*2を手伝っている時のことだった。
彼は、少女が描く小さな花に自らを重ねた。
「誰にも気付かれない。誰の役にも立たない。この花はまるで僕みたいだ。」
彼が「もう少し大きな花の方が良いんじゃない?」と言った。少女が頑なに、小さな花を選んで描くからだ。少女は彼に言った。
「この花の方が偉いもん。誰にも水をあげられなくても、ちゃんと一人で生きてるんだから。だからこの花を描くの!」
その後、彼は『新しい自分』を見つけた。彼が捨ててしまった過去の自分を、彼は取り戻したのだ。
うつ病の彼に過去の自分を投影した。『役立たず』『無意味』『要らない人間』などの言葉は、実に的確にうつ病の人の心理状態を描写している。私はうつ病だったのかもしれない。
彼はうつ病から回復して、『微笑みうつ*3』になった。精神科医は言った。
「微笑み鬱は恐ろしい病気です。本人も周りも気付かない内に、精神を磨り減らして行く。でも、きっと大丈夫です。その先に、本当の笑顔があるはずだから。」