闇と光

ケムリクサとけものフレンズの違い

端的に言えば

以前、Twitter*1上にて、

『ケムリクサは、闇の中で光を探す物語。
けものフレンズは、光の中の闇を探す物語。』

と言っている人がいた。良い得て妙である。この記事で私が言いたいことは、殆んどこの一文に集約されていると言っても過言ではない。

具体的には?

けものフレンズ

基本的に明るい。登場人物が死ぬことはないし、激しい戦闘シーンもない。


しかし、「闇が深い」だとか言われるように、世界設定が複雑である。


少なくとも、「人類は滅亡した」可能性が高いことだけは、作中で*2明言されている。

優しい世界

たつき監督のアニメ愛は、過去記事で紹介した通りである。また、名前を呼んではいけないあのアニメ特有の「ギスギス」した雰囲気が、けものフレンズにはない。


所謂『トゲ抜き』google:けものフレンズ とげぬきがなされているためである。「フレンズ」を量産したこのアニメの、ケムリクサに負けずとも劣らない、高い依存性は、この「世界観」に大きく依存する。


しかし、登場人物が多いため、かばんちゃんやサーバルちゃん以外には感情移入し難い。それが唯一の難点である。

ケムリクサ

基本的に暗い。1話冒頭で早速、登場人物の一人が死ぬ。8話でも、シロたちが機能停止する。


戦闘シーンでは、りんの腕が消し飛ばされたり*3、また彼女が片腕片足を失ったりする。*4りなが死にかけること*5もある。

それでも優しい世界

このアニメもまた、けものフレンズと同じように、「考察アニメ」としての面を持つ。小ネタには事欠かないし、相当細かい部分までこだわり抜かれているので、考察するだけで12話まで駆け抜けることも、不可能ではない。


しかし、ケムリクサを語る上で欠かせないのはやはり、けものフレンズに負けずとも劣らない「世界観」である。ケムリクサを視聴した人は、口々にこう言う。

「ケムリクサは、愛の物語である。」

どういうこと?

「そんなグロいアニメなのに?」と思うかもしれない。しかし驚くなかれ、この恐ろしいアニメは、回を経る毎に異なる顔を見せる。


1話の時点ではポストアポカリプス。11話で、時を越えたワカバとりりの物語*6


そして12話では、「りんが、わかばのことが好きであることを自覚し、好きだ。と言う」、まるで少女漫画のような王道ストーリーとなる。

視聴者の変化

最初は、「何だこの変なアニメ」くらいの気持ちで観ている。多くの人は、4話くらいから不思議に見入ってしまい、8話で「シロおぉ~!」9話冒頭で「りなちゃんんん~!」10話で、11話でedで「あああああぁぁぁ!」となり、12話ではもう、「好き。」になっている。

わかばへの評価

最初は、「男が出た!殺せ!」くらいの嫌悪感を抱いていた我々ヲタクが、8話では彼に同情して泣きそうになり、11話では彼を「お父さん」と呼ぶ。12話では、「末永く爆発してくれ。」と願っている。

たつき監督成分が多いケムリクサ

けものフレンズは元々、メディアミックスであるから、たつき監督の自由度は低い。けものフレンズは、たつき監督らしい演出が存分に発揮された作品*7と言えるだろうが、たつき監督の自由度は、ケムリクサに劣る。


それに対してケムリクサは、「原作/監督/シリーズ構成/脚本/演出」すべてが、たつき監督の担当である。作画や美術、音楽以外は、『ほぼたつき監督』と言っても過言ではない。

どっちも良い!

私はケムリクサの方が好きだが、結論としては、「どっちも良い。」それだけだ。*8


私の印象としては、けものフレンズは「広く浅い」、ケムリクサは「狭く深い」層に受けるように思う。つまりハマれば、ケムリクサの方がのめり込む可能性が高い。

とにかく見て!

こんな弱小ブログでは、とてもステマにはならない。また、2つとも商業作品として大きな成功を納めているため、私のステマなど、必要としていない。


単純に、「ケムリクサ…けものフレンズも、好きだ。」と発信したまでだ。


google:けものフレンズ
google:ケムリクサ

*1:私は今、殆んどTwitterをやっていないため、うろ覚えである。

*2:博士によって

*3:5話ヌシ戦

*4:12話赤い木戦

*5:10話冒頭

*6:名前がついていたが忘れた。

*7:irodoriらしい作画や美術も、商業作品ではケムリクサの次に発揮されたと言えるだろう。

*8:但し、本当にけものフレンズ愛する人なら、続編を見るべきではない。私は見た結果、ニコ動の呪詛の闇を、数日間漂うことになった。あんな悪夢は、最初から存在しなかったのだ。