生きる
- 動機
- 生きるって何?
- 『生きる』とは
- どういうこと?
- 興味深い創作
- なぜ、戻ろうとするのか?
- 移動する条件
- 移動と生
- 不条理という仮想現実
- 『生きる』ことから閉め出される世界
- 人はなぜ死を選ぶ?
- 絶対的な『死』という自由
- 死ぬときの心情
- 人はなぜ生きるのか?
- どういうこと?
- なぜか生きている
- 生きることに、目的や意味なんかない。
- 上も下もない
- 私が生きる理由
- 移動のすゝめ
- 移動を勧める理由
- 結論:好きなことをする。
どういうこと?
人間には自己防衛本能がある。そのおかげで、殆んどの人は死ぬことができない。私のような特殊な体験をしない多くの人は、自殺という『最後の自己決定権』を奪われた状態で生きている。*4
生きることには終わりがない。いや、終わりはあるが、殆んどの人はそのときを選べない。ゲームのように、「ログアウト」できない。
興味深い創作
「ログ・ホライズン」(直訳・記憶の地平線)*5というライトノベルがある。後の、所謂『転生もの』や『SAO』系に大きな影響を与えた作品である。
この物語は、登場人物らがゲームからログアウトできないことに気づくところから始まる。なんやかんやあって、元の世界に戻るという話である。*6
なぜ、戻ろうとするのか?
ここで、根本的なことを問う。彼ら彼女らはなぜ、現実世界に戻ろうとしたのか?「そんなのは当たり前だ」?なら、少し問い方を変えてみよう。
移動する条件
もし仮に、近未来にこの世界がヴァーチャル・リアリティー*7であることが自然科学的に証明されたとする。その世界では、ソースコードが判明しているため、「SAOアリシゼーション」のシミュレーションのように、世界を「ハック」すること*8ができると仮定する。
そんな世界で、誰もが一つ以上の「現実」*9を持っていたとしたら?「現実」と「仮想」の区別がなく、只単に「世界」が並列するなら?
その世界で、ログ・ホライズンの登場人物ら*10は、「前の世界」に戻ろうとするだろうか?無数に存在する世界の一つに行けなくなったところで、何の支障もない。彼ら彼女らは新たにコードを書き換え、新しい世界を創造するだろう。
人は、彼ら彼女らが信じる「現実」への道を絶たれたとき、再びそこへ行こうとする。そもそも「現実」/「仮想」という概念がないなら、「現実」に戻ろうとするmotivation*11はない。
移動と生
「現実」と「仮想」の区別がないなら、ログ・ホライズンの登場人物らは、新しい世界を放浪するだろう、というところまでは語った。では、彼ら彼女らが(その真偽に関わらず、)「絶対に元の世界に戻ることはできない」と感じたとき、どうなる?
多くの人は、「その世界で生きるしかない。」と言うだろう。私もそう思う。しかし、それはその『世界』の質にも依る。
不条理という仮想現実
カミュみたいな話*12になるが、もし、どこでも、いつでも簡単に人が死ぬような『世界』に生きていて、「お前は間違っている。お前に生きる価値などない。」と『世界』から否定され続けるとき、あなたは生き続けられますか?
比喩でなく、私はつい最近まで、その世界で生きていた。何度も死を思った。何とか生きているけれど、死んでいる確率の方が高かったように感じる。
『生きる』ことから閉め出される世界
その世界では、徹底的に自分の「生」が否定される。ログ・ホライズンで言うなら、現実世界で人々のベクトルは『生』に向かっているが、ゲームでは『死』に向かっている*13ようなものだ。
不条理という幻想*14に生きる人は、いつも「死」に曝されている。「生」に関わるすべては幻想で、「死」こそ唯一絶対の現実。不条理に生きる人の世界は、それほど過酷である。
人はなぜ死を選ぶ?
私はこの問いに、「移動する方向が限定されているから」と答える。不条理は、それを現実とする人から自由を奪う訳ではない。唯一、不条理に生きる人に許される自由がある。
絶対的な『死』という自由
それは死ぬことである。やること成すことが、それが例え生理的欲求によることでさえ、無駄に感じられる。
食欲もない。運動する気にならない。風呂に入るのは面倒。トイレに行くことすら面倒。寝れないし、寝るのは疲れる。趣味を嗜む気力なんかない。毎日をやり過ごすのが精一杯だ。
そうやって、何も変わらないまま、只いたずらに時間だけが過ぎ、疲弊し続けた先に、何があるだろう?何もないのだ。少なくとも当事者には、そうとしか感じられない。*15
死ぬときの心情
恐らく、
「これ以上生きるよりはマシだろう。」
冗談抜きで、このくらいの気持ちだと思う。私にも、そうとしか感じられない時期はあった。恐らく、「絶対に死んでやる!」とやる気に満ちて自殺する人は、自殺者に占める割合としては低い。
人はなぜ生きるのか?
私なりの回答は、「無駄なことをする自由を享受しているから。」
どういうこと?
朝起きて、朝食を食べ、学校に行く。授業を受け、昼食を食べ、部活動に参加する。帰宅して、夕食を食べ、風呂に入る。歯を磨き、トイレに行き、寝る。
この中の3分の1以上が無駄である。親が死ぬか、親に見放されるまでは、ニートになって食ってトイレに行って寝るだけの生活もできる。*16小氷河期が来るまでは*17、人気のない森の奥深くに住んで、自給自足の生活を送ることもできる。しかしなぜか私達は、毎日毎日、相も変わらずに学校に行く。或いは会社に。
なぜか生きている
不条理を感じる人は、生への洞察が鋭い。そのため、日常生活の、或いは慣習の非合理な側面や、理不尽な性質をありありと感じとってしまう。「生きるとは?」みたいな問いに思考が支配されるようになったら、セラピー等に行く方が良い。自殺する可能性が高い。
生きることに、目的や意味なんかない。
私は『とりあえず生きてみる』ことにした。そのおまけとして、PNSEや高IQがついて来た。退屈を苦痛に感じるという特典もついて来た。私はその退屈を使って、このブログを更新している。
私は、たぶん運が良かった。これからもそうであるかはわからない。再び不条理に苛まれる可能性も、十分にあるだろう。しかし、私を不条理という不運が覆い隠していたとき、メタ考察という幸運もまた、確かに存在した。だから私は生きている。*18
よく、人生に意味や目的を求める人がいる。「自己の存在証明」だっけ?私に言わせれば、そんなものはない。人間が考える意味だの、目的だのは、人間が生まれた後から取って付けたものである。しかし、多くの人は「生きる意味がない。」と言って自殺する。
上も下もない
云々や画一的すら読めなくても、「イエスかノーでお答えください。」という日本語の意味が理解できなくても、『彼は首相だから偉い。』とでもいうような態度の人がいる。
「学があれば偉い。」「高給取りは偉い。」「清貧は偉い」「白人は、日本人は偉い。」「現役世代は偉い。」「男は偉い。」「健常者は偉い。」「人間は偉い。」
様々な評価基準がある。しかしそれらもまた、人間が後から仕立て上げた偶像に過ぎない。『無意味、虚実の努力をした人間の自己責任だ、』とは言わないが、そんなもののために身を削って「頑張って」しまったから、自殺をする気がする。
私が生きる理由
そんなものはない。たまたま、なぜか自殺しなかったから、とでも言おうか。もう少し真面目に考えると、一度は死の門を叩いたからだろう。
私は未だに、自殺寸前の、死の淵に立っている。しかし、自殺の危険を一切感じない。私は楽観的だろうか?
私は、『生』という虚構に向かって生きる意味を見失ったが、その不条理から抜け出すために『死』に向かう意味を、未だ知らない。どこにも移動する気が失せた代わりに、すべてがリセットされた感じ。「どこにでも行ける」なんて言わないけれど。*19
移動のすゝめ
数ヶ月間、異国に旅するのも良い。大きな引っ越しをするのも良いだろう。parkourも。未だ話したことがない人に、話しかけてみるのも良いだろう。
とにかく、未だ自殺しようと思っていない内に、移動することをオススメする。
不条理は、バイアスによって固定され、より強固なものとなる。自殺とは、生のエネルギーを「死ぬ」方向にしか向けられなくなることである。「生きる」ことが億劫になることである。
移動を勧める理由
今の内に、生のエネルギーを様々な「無駄」に思えるようなことに使うこと。これは自殺を予防する。*20
生産的な、或いは有意義なことに時間を使ってはいけない。それは明確な「目的」や「意味」を持った行為だからだ。なんとな~く、只単に『やってみたい』ことをやること、それが良いのだ。
結論:好きなことをする。
「好きなことで、生きていく」なんて言っているわけではない。仕事が生き甲斐に『なる』なら、それは幸せなことだろう。しかし、無理に仕事を生き甲斐に『する』ことをしようとすれば、その先に待つのはうつ病である。
端的に言えば、趣味を楽しめば良いのだ。ケムリクサとか、哲学書とか、parkourとか、考察とか、ブログとか。中途半端だが、以上!
*1:俗に言う、「エモい」。えもいわれぬの略語ではないが、似たような意味だから分かりやすい。
*2:人類は移動し続けてきた。また、人間は1日の退屈にさえ耐えられない。これは人間が、移動している実感を求めている証拠であると言えるだろう。
*3:ここからは詩的な文章。飛躍している。閲覧注意。
*4:「死の門から、閉め出されている」と言っても良い。
*5:作者になんやかんやあったが、物語そのものは好きだ。
*6:アニメ化された。面白いよ!
*7:直訳・仮想現実。以後、VR
*8:俗に言う、「プログラミングする」
*9:VR
*10:その世界では、70億の人口が複数のVRに接続することができるため、素人が有名どころからコードを「コピー&ペースト」すると、往々にして世界が「かぶる」ことがあるだろう。ログ・ホライズンの登場人物らは、そうして出会ったものとする。
*11:行動を動機付けようとするもの。動機付け。
*12:シューシュポスの神話
*13:→その世界に閉じ込められている
*14:ここでは不条理を『幻想』と言ったが、不条理に圧し潰されそうになりながら生きている人たちにとって、不条理や死は、紛れもない『現実』である。
*15:私は考察する習慣がなければ、死んでいただろう。考えることを習慣にしてくれた母には、感謝してもしきれない。
*16:日本経済が破綻しない間は。もう少しで危うい。
*17:今でも、気象のカオスのために、野営がほぼ不可能な場所は多いかもしれない。
*18:自殺を考えている人には、あまりためにならないかもしれない。
*19:この逆接の使い方を許して。
*20:自殺が、ベクトルを死への単一方向に固定するものなら、生きることとは、ベクトルを様々な方向に向ければ、それは自殺を予防するのだ。「単純過ぎる」と思うだろうか?世界は、あなたが考えているより単純なのだ。