ワナゴの辞典 猫

別役実日く、

それは芸も出来ない、運搬能力もない、食用でも毛皮が売れる訳でもないのに、人間に安全な寝床と、清潔な水と餌(こればかりは劣悪)を提供させることに成功した、唯一の動物である。


犬は、人間に家畜化されてから、人間に従順になった。言わば、犬は人間の奴隷だ。


猫は、従順になってから、人間に家畜化された。これは様々な解釈ができるが、私はこう思う。


猫は、「人間に媚びれば、容易に生き残ることができるのではないか?」と考え、(考えたかどうかはわからないが、とにかく)従順になってから、人間に家畜化された。つまり、人間に懐く猫の姿は、生き残るためのペルソナであり、孤独な状態が、猫本来の姿である。


猫は孤独に死ぬ。したがって、猫は死ぬときに最も自由である。


私が猫を好むのには、もう2つ理由がある。犬のように、一日中すり寄られると疲れる。


また、猫は自由の象徴である。家畜云々の、上の話でもわかるが、「犬」には隷従のニュアンスが付きまとう。


常日頃から不自由を感じている身としては、猫は理想の存在なのだ。扶養主に懐くことによって生活を成り立たせる、「究極のニート」と言ってもいい。


しかもそれを犬は無意識にやっているが、猫は自分からやっている。自分の可愛さを自覚している、憎い動物である。


私は猫アレルギーである。犬は大丈夫なのに。なぜ。PNSEに入って少しはましになったかな?次は近づいてみる。