絵を描く
前は苦しかった
一神教のパラダイム
私が高校一年生だった頃の美術で習った、日本と西洋の美術史を思い出した。西洋の絵画には一点透視図法や左右対称など、明確な美的基準がある。そのため、写実的な描写が発達してきた。
しかし、これは葛藤*1を生む原因にもなってしまう。
「写実的に描かなければ」なのに「描けない」。→描かない
理性が崇拝され、写実的に描くのが美しいとされる文化で、社会に属する人間は、あるパラダイムに囚われる。それは「写実的に書かなければならない」という呪縛だ。
しかし、素人が美しい絵を描くことは難しい。しかしその間にも、その呪縛は人を悩ませ続ける。そうして、まだ大して描いてもいないのに筆を置いてしまう。描かなくなる。私がそうだった。
face to reality
美術の授業で自画像を描くという現実に直面して初めて、私を苦しめていたものの正体に気づいた。今では絵を描くのが少し楽になり、前より積極的に観察して描いている。そのおかげか、画力も上がった。