卑屈の辞典

卑屈の辞典 生存本能

希望が見えず、また終わりが見えず、死を思ったとき、「もう少しだけ生きてみて。君が生きたくない理由がわかるかもしれない。」と耳元で囁く悪魔。 なぜ、そんなことがわかったのか?私が今生きていることが証拠だ。悪魔は恐ろしい。真理を知っていたのだ。…

卑屈の辞典 顧問の先生

目にとっての、その上に位置するこぶ。 非常に邪魔であり、且つどうにもならないもの。 中学校のそれは、たまに部活動に来たと思ったら、有り難くもない退屈な話を、延々とするだけの生物。 彼に感謝していることは、2つだけである。1つは、英語教師として…

卑屈の辞典 マルチ

「最近は、マルチな芸能人が増えたなぁ~。」この言葉が意味することは、景気の悪化に依る、消費の落ち込みである。 労働とは、只の不要な片手間仕事である。自ら進んでそんなことをしたい人はいない。少なくとも私は、自由な時間を大事に過ごす方が良い。 …

卑屈の辞典 出生前診断

障害者は、同じ人間ではないし、育てるのに金がかかるし、役に立たないから、殺しても構わないという考え方。 これによって人は、法を犯すこと無く、障害者センターの障害者を殺した男を尊敬し、彼を倣うことができる。 この場合において、法律の方が誤りで…

卑屈の辞典 健常者

身体的な、或いは精神的なハンディキャップが無い方が偉いとする考え方。何を以てハンディキャップとしてその人たちを貶め、同情するかを決めるのは、「健常者」である。 勿論、この言葉を考えたのは、「私は健常者だけど、障害者は可哀想にねえ。」と憐れむ…

卑屈の辞典 個性

前近代、個性は既にそこに「ある」ものであった。しかし、現代ではわざわざ「ある」と主張して初めて、確認されるものになってしまった。 主張しないと確認できないような、希薄な個性しか持っていないと考えている者ほど、盛んに主張する。それによって客観…

卑屈の辞典 自殺

俗に言う、「どこか頭のネジが外れた」人は自殺しない。 いかにも人畜無害に見える、優しそうな人間が、自殺するのである。 それは、自分自身が発する毒を、攻撃性を、感情を、すべて自分の内側にしまったからだ。他者が、それを表現することを許さなかった…

卑屈の辞典 拮抗(恒常性維持)、反動形成

拮抗 生物学や、主に心理学や脳科学の理解に欠かせない概念。 脳は現状維持を好む。それはつまり、環境を変えるリスクが高かったことを示さない。「移動するリスクが高い」なら、移動した種は存在しない。生き残った種が偶々移動しなかったか、移動できなか…

痴ほう症 卑屈の辞典

朝、外出する前に、自宅の鍵を首に掛けて、靴を履いてから、自宅の鍵を探しに靴を脱ぐこと。屈んだとき、首に掛けた鍵を、自らの呆けを、初めて見る。一般的に肯定的に用いられない。しかし、呆ける人間はつよい。IQ140を持つ、記憶力だけは優れている少年が…

卑屈の辞典 劣等感

太宰治が著した、人間を失格した男に、自らを「醜い」と言わしめた、或る気持。中島敦が著した、虎になった男に、自らを「宮殿の礎」と言わしめた、或る反動を生むもの。この感情はひねくれているため、素直に顔を出すことがない。「自己陶酔」や「優越感」…

卑屈の辞典 自己責任論

現在、日本で、儒教と男尊女卑の次に、人々を熱中させている新興宗教。明治維新のとき、日本人が感染した病。 「すべては君の努力次第!夢は叶う!」が布教の常套句。主に自民党や公明党が信仰し、布教している。入信して直ぐの人は幸福である。少なくとも、…

卑屈の辞典 お化け屋敷

そこに入るとき怖がる子どもを見て、「お前は臆病だな。」と言う大人は勇敢ではない。防衛本能が欠場しているのである。

卑屈の辞典 人口妊娠中絶禁止法

少子化の責任は、子どもを生まない人間にあるとする考え方。妊娠と出産と育児の責任は男に無いと考えている政府が、子育ての社会保障額を減らしている自分たちの責任から目を逸らすための、自慰行為のようなもの。勿論、親がレイプ魔の子どもを殺しては少子…

卑屈の辞典 虚弱

ワナゴの事故紹介文にある言葉。 健康に見放され、命に愛された人間が持つ、ある性質。この対義語が健康であると仮定する。その状態にある人間は、健康に愛され、命に見放されている。その人間は、少し体調が悪い日もブラック企業に行く。感情を抑圧すること…