母の勘違い

非モテ男と女嫌い

よく、「ブスな女はモテる女を妬んでフェミニストになる」という都市伝説を好む人がいるが、それは間違いだ。そもそも、「モテない女が」、「僻んで」フェミニズムを学んでいると考える時点で、非常にホモソーシャルヒエラルキー的考えなのだが、それに気づく人は少ない。


逆に、美人だったり性格が良かったりして悪い虫が寄って来るから、護身術として、啓発の手段として、フェミニズム理論を武装するのだ。*1まあ、顔なんてどうでもいいことだ。*2


しかし、男にはこれが当てはまる。男は自らの怠慢を自覚しない。自分が不潔だから、不遜な態度だからモテないのに、「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!*3と信じて疑わない。それこそ、右翼ミソジニーが大好きな「自己責任」の一言で片付けられると思うのだが、自己責任論とは都合が悪いことには適用されない、とても都合が良い言い訳のようだ。

私がモテないから、母は憂いた。

私はモテない。まあ、このブログを読めばだいたいその理由がわかるだろう。心理学や脳科学の知識を駆使すれば、適当にモテることはできるだろう。その程度の自負はある。しかし、モテるつもりは無い。私にはまだ、「大切な人」の存在は大きすぎる。


母は、「息子はモテないから女嫌いになるのではないか」と思ったらしい。そもそも、何かの責任を誰かに投げてしまえるような気楽な性格なら、どれほど良かったか。都合良く「私がモテないのは(割愛)」と責任転嫁してしまえるなら、自殺未遂などしていない。しかし、母は言っても聞かなかった。

好都合な出来事

母が去年のラグビー大会のクラスTシャツ*4を見た時、あからさまに目の色を変えた。*5そのクラスTシャツには、明らかに女子のものとわかる可愛い刺繍がしてあったのだ。*6あれは私には作れない。それ以降、母は私の非モテについて何も言わなくなった。言う必要が無いと判断したからだろう。


しかし、実際はそれをつくったのは、所謂「天然」な女子で、私と出身中学は同じだが、二年生の時に同じクラスだったくらいで、特別親しいわけではなく、異性への好意としてつくったとは考えにくい。


また、もしそれが異性への好意に由来する行動だったとしても、私はその気持ちには応えられない。私にはまだ、「それ」は重すぎる。


だから、私の非モテは特に変わらない。しかし、都合が良いので母の勘違いをそのまま利用することにした。私が真実を話さなければ、母は「息子は非モテではない」と認識したままだ。ずっとその状態でいてくれれば、もう面倒な応酬を繰り返す必要は無い。

*1:女性専用車両は必要ないと思う」だのと言う『美少女』のことを思い出している人がいるなら、ここで否定しておく。あれは『名誉男性』という人種で、無自覚に他の同性より搾取されている女性たちだ。

*2:女性たちはずっと、「せめて清潔にしてくれ。」と言うのに、不潔な雄ほど、「但し、イケメンに限る」だのという言葉を好む。人間ほど気楽な雄は稀である。他種の雌は基本的に化粧しない。雄の方が絢爛に着飾って、雌に主張するのだ。なぜか人間では、この役割が逆転している。

*3:あれの主人公は女性だが、被害者妄想的な思考傾向は男性そのものである。

*4:私が所属している高校では、男子がラグビー大会に出場し、女子は男子のゼッケンをつくる。幸運にも私はベンチで、出番は無かった。ラグビーなんて興味ないし、闘争心も無い。

*5:彼女はたまに妙に鋭いところがあるが、基本的に分かりやすいので、心理誘導もしやすい。その点では助かっている。

*6:クレヨンしんちゃんに登場する菓子のマスコットキャラクターのもの。「チョコビ」?