見なきゃ良かった

安田大サーカス クロ

私はこのおじさんに敬称をつけるのは、私が尊敬している人たちにあまりに失礼だと考え、敬称をつけない。「敬称略」ではない。ちゃん、すらつけたくない。敬称をつけない、ただそれだけ。

セクハラ

動画を見てしまった…セクハラするじじいの心理を考察する材料になると思った。でも収穫は無かった。新しい発見は何一つ無かった。


不快になる人もいると思うから、あえてリンクを貼らない。YouTubeで「クロちゃん セクハラ されました」と検索すれば出てくる。

表情筋を観る

人間は、思いの外「本音」がだだ漏れである。表情、体重の重心、腕の組み方、手の位置声のトーンなど、様々な表現がある。*1


彼の表情は見事に分かりやすかった。*2唇を読みやすい人、読みにくい人と同じように、表情を読みやすい人、読みにくい人がいるが、彼は完全に前者だった。

気持ち悪い…

世の中には、二種類の男がいる。一つは「強者男性」、もう一つは「弱者男性」である。クロは強者男性。私が苦手とする種類の人間である。*3


セクハラされているのを見て「良いぞ、もっとやれ」とか言う人がいるが、私はただただ不快だった。私は強者男性にはなれない。そもそも、私が強者男性なら自殺未遂などしなかっただろう。

潜在的な女性蔑視

セクハラしているクロの表情は、なんというか、「こいつ*4になら、何をしても許される」という種の蔑視を孕んでいた。


実際、痴漢して「この人痴漢です!」と言われたとき、痴漢被害者を殴った男もいる。クロも、避けられて不愉快な表情をした。心底気持ちが悪い。

名誉男性』という問題

これは名誉白人を文字って、皮肉を込めて作られた言葉である。「奴隷頭」と呼ばれることもある。


確かに、セクハラの被害にあった女性は、所謂「名誉男性」だった。典型的な。彼女はYouTuberなのだが、*5正直言って、糞動画を配信している。動画の内容はつまらない。


彼女自身もまた、彼女自身が「可愛い」と呼ばれる人間であることを自覚している感がある。ファンの人がいたらごめんなさい、でも、そうとしか思えない。

『彼女が無防備/名誉だから』でセクハラは許されるのか?

私はそうは思わない。*6


社会的弱者には2つの道がある。一つは、強者に侍り、へりくだる道、もう一つは、強者に抵抗し、社会変革活動に勤しむ道だ。


殆んどの日本人女性はなんとなく前者だろう。その極端なものが名誉男性である。後者が所謂、「フェミニスト」と呼ばれる人たちである。

全員が変革活動家になれるのか?

それは難しいだろう。現体制にもの申すことは、そのコミュニティから「追放」されることを意味する。社会活動家がいるような世の中、まだまだ状況は変わっていない。そんな状況で強者に刃向かうのは、なかなか勇気の要る行為だ。

抵抗者になる条件

それは、一回は「マイノリティ」になることである。


私の母もまたフェミニストだ。彼女は幼少期に親の気まぐれでブラジルに移住した。そして、帰国後にいじめられた。彼女が何をしたわけでもない。「肌が日にやけて黒かった」から、ただそれだけの理由だ。


私もまた、こんな、所謂ネトウヨの有象無象に「非国民」だの、「工作員」だのと言われそうなブログを書いているが、それは中学二年生のあの事件*7で集団の好奇の目に晒された。


本当に怖かった。集団というより、何か巨大で不気味な怪物が、私を睨め付けているようだった。それ以来、私は潜在的な恐怖のためか、同級生全員に敬語を使っている。後輩にはなんとか使わないで話している。


そんな「きっかけ」でもないと、『日本社会を再考する』とか言われても、いまいちピンと来ないと思う。

抵抗者になる条件を満たす人は多い?

いや、少ない。そんな経験をすることができるのは、限られた人数だけだろう。自殺未遂という経験も、成功すれば「死」への抵抗がなくなるから、してみるのも良いかもしれない。いや、でも、オススメはしない。かなりしんどいし、危険だから。

名誉男性を生むものは何か?

それは社会である。文化と言ってもいい。「奴隷頭」は、奴隷がいないところでは生まれない。「そんなのは当たり前」?そうだ。不平等がないところには、上も下もない。上がないから、「媚びる」必要は無い。媚びても無意味だからだ。


フェミニストクソリプをつける「名誉男性」という存在が、逆説的に男女間における立場の差、上下、つまり男尊女卑があることを証明しているのだ。

名誉男性フェミニストの分かれ道

それは、「日本の男尊女卑に気付いた時」である。名誉男性は、それを利用?して利益?を出す。つまらない動画を配信する、美形の女性YouTuberがそのいい例だ。*8


結局は、彼女たちも搾取されているに過ぎないのだが。だから可哀想な人たちではある。「さよならミニスカート」の美玖氏も典型的な名誉。


名誉男性フェミニストの決定的な違いは、フェミニストは「日本には男尊女卑がある」と明確に認識してそれに抵抗するのに対して、名誉男性は薄々気付きながらも、明確に認識してしまうのは怖いから、強者集団からはみ出さないように、せめて強者男性の奴隷になれるように振る舞うことだろう。


恐らく、彼女らは集団からはみ出した経験がない。だから、集団からはみ出さないように、集団からはみ出しているフェミニストたちを否定して「良い女」像を演じている。恐らく無意識に。

強者男性は、そこに付け込む。

クロがいい例。「女を売ってるゆきりぬになら、何をしても抵抗しないだろう。」そういう、なんというか、見下す表情があった。

あれはヤラセではない。

コメント欄にヤラセを匂わせるものがあったので、ここで否定しておく。断じて、ヤラセではない。まあ、弱者で、人の顔色をうかがって生きている人にならわかるだろう。*9


クロがゆきりぬ氏に接近するとき、ゆきりぬ氏は重心をクロの反対側に置いている。動画を見れば、かなり重心が偏っていることがわかる。クロから逃げるように。


また、「二人きりでのオフトークは危険と判断」とある。


さらに、「クロがゆきりぬにキスできるか?」という企画紛いのセクハラ発言をしているとき、ゆきりぬ氏は口の前に手を置いている。これは本音を隠すときの動作である。


端的に言えば、内心では「こいつマジかよ…気持ち悪い…」とドン引きしていたということ。あの反応は、打ち合わせした後、自身がセクハラされることを知っている状態では出にくい。

「再生数稼ぎ」

こんなことを言うのは馬鹿な男くらいだろう。恐らく男には、セクハラされる恐怖はわからない。私にもわからない。しかし、「尋常ならざる恐怖を感じる」ことは確かである。なぜ、「わからない」男がこんなことを言えるのか?その説明を生物学に借りる。


男と女では、「生殖」に関するリスクが段違いである。男は射精して終わりだから、性欲のままに女を貪る。しかし、女は「着床して即出産」というわけにはいかない。


先ず、かなりの栄養素を胎児に取られるため、補給の量と頻度が上がる。当然、消化吸収に要するエネルギーも増えるため、かなりしんどい。


また、胎児が成長すると当然ながら体は重くなる。現代社会では、日常生活でかなり消耗する。これでもかなりしんどいが、自然界では更に、「逃げ遅れて捕食される」リスクがある。


更に、出産時には、母体は危険な状態になる。死ぬことも多い。


前置きが長くなった。セクハラされるとき、女性は恐らく、潜在的に「妊娠させられる」*10危険を感じ取るのだろう。それはつまり、上記すべてのリスクを負うことを意味する。


男は基本的に、この恐怖を感じることがない。だから、「ヤラセだ」なんてことが言える。少なくともゆきりぬ氏は、彼女の心理的傾向から見ても、再生数を稼ぐためにセクハラされるリスクを負うことはない。

最後に

思いの外、長ったらしい記事になってしまった。元はと言えば、あの動画を観た後の不快感を片付けるためのアウトプットだった。


私は、「自分用ブログ」と言いながらも、恐らく私のブログが少しでも社会を変えることを期待している。


こんな弱小ブログだし、長い記事だし、難しい内容だし、何人に届いたかはわからないが、一人にでも届いたなら、私がこの記事を書いた意味があったと言えるだろう。

*1:でも、興味本意でのやり過ぎには要注意。人の建前を翻訳して自動的に本音を見抜くレベルになると、誰も信じられない。「建前って、必要だなぁ」と切に感じた。

*2:読心術と同じで、

*3:というか、芸人はほぼ強者だろう。

*4:被害者女性

*5:妹に紹介された、はなお という人間のチャンネルから知った。

*6:日本に男尊女卑があることを認識していない人は何も理解できないから、ここで読むのをやめるか、勉強して出直すことをオススメする。

*7:過去記事参照。あるかな?たぶんあると思う。

*8:ごめんなさい、ゆきりぬさん、でもこれが事実。

*9:社会的地位が高くなるほど、共感能力は低下する。空気を読まなくても「何とかなる」からだ。社会的地位が低い人は、共感能力を総動員して生きている。強者の気分を害することに、大きなリスクがあるからだ。

*10:強姦される